映画

「トントンギコギコ図工の時間」

つい最近「文化庁文化記録映画優秀賞」を受賞した「トントンギコギコ図工の時間」。私は、8月に十三の第七芸術劇場で見ました。野中真理子監督のドキュメンタリー映画第2作目は、東京都品川区立第三日野小学校の図工の時間を焦点にあて、様々な工作を作り上…

「LOVERS」(ネタバレあります。注意!)

武侠映画は大好きです。宮崎駿も真っ青の、天空へ舞い上がる飛翔と落下という運動がおりなすアクションは、横長のスクリーンを上へ、下へと限りない空間に変えてしまうかのごとく雄大です。「LOVERS」での、朝廷からの追っ手が、チャン・ツィイーと、金城武…

「more過去のない男」

「過去のない男」について、もう少しだけ覚え書き。これは、「人生を一からやり直したい」という願望を描いた寓話なんだと思う。物語の後半で男の素性が明らかになるのだけど、妻とはいさかいが絶えず、離婚する準備をすすめていた(そして、彼の失踪中に離…

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恥ずかしながら告白すると、私、アキ・カウリスマキ作品をこれまで「コントラクト・キラー」一作しか見ていない。しかし、カウリスマキが、小津安二郎監督の熱狂的な崇拝者であることは知っていたので、前から気になる存在ではあった。 さて、「過去のない男…

「スウィングガールズ」(ねたばれあり、これからご覧になる方はご遠慮ください)

公開一週目に見に行ったときは、全席売り切れでみられず、今回も劇場が小さいにほうに移っていたとはいうものの、ほぼ満員、客層もバラエティにとんでいて、年配のかたが意外にも多く、こういう層を呼び込めたものの勝ちなんだよな〜と、誰にもたのまれてな…

「ヴィレッジ」(ネタバレあります。これからご覧になる方はご遠慮ください)

本当は「スイングガールズ」をみようと思っていたんだけど、まだ時間あるな、とサウンド1stによって、bonobosのニューシングル「あの言葉、あの光」を試聴したりして(結局購入。これは傑作)、それからナビオシネプレックスに行ったら、「売り切れました…

「忍者ハットリくん・ザ・ムービー」

この映画の正式タイトルは、「NIN NIN」をやっぱりつけなくちゃ駄目なのかな? いちおう、ネタバレしてますので、これからご覧になる予定のかたは、ご注意ください。 この、8月の終わりから始まる東宝系の邦画は、いわゆるお子さま枠というもので、子供とそ…

メモ的映画館日記

忘れてしまわないうちにメモメモ。 ●8月○日「マインド・ゲーム」 心斎橋パラダイススクエア 水曜日はレディスデイということで、劇場の前はおばさんたちで一杯。どうも初回は、売り切れたみたいで、2回目のチケットを求める人の列が出来ている。 といっても…

「茶の味」(ねたばれあり)

シネリーブル梅田にて。これまでの石井克人作品のイメージから、ちょっと凝った映像が特徴の面白おかしい話だろうという程度にしか期待していなかったのだが、これが実に今どき珍しい心温まるホームドラマで、笑わせ泣かせる傑作であった! 石井作品といえば…

「世界の中心で、愛をさけぶ」

もうさんざんいろんな方が語っていらっしゃると思うので、2番せんじなことしかかけないと思いますが観た映画は全て感想を書くという課題を自分に与えているので、とにかくなんか書いとこうと思います(5作ほどたまってきている・・・)。 一応この映画のヒ…

「69sixty nine」

「69 sixty nine」を梅田ブルグで。ここはよくパンフレット切らしてくれますね。 入荷日も未定ですって商売する気あるんかい!といきなりキレておりますが、映画は面白かったです。 妻夫木くん扮するはちゃめちゃ高校生と彼に振り回される同級生たちを描い…

「リアリズムの宿」(ネタバレ有りまくり)

テアトル梅田にて山下敦弘監督の「リアリズムの宿」鑑賞。映画が終わって、ゆっくりエンドロールが流れるのを観ながら、私はこんなことを想像していた。 ここは、映画「リアリズムの宿」の関係者試写会場。客席をズラっと埋めた鳥取県観光連盟の皆さんは、映…

「ラブドガン」もうすぐ公開。

何回予告編みたことでしょうか。関西では7月3日公開らしい。何回も予告編みただけに、チラシの方も6種類全部揃いました。新井浩文バージョンが好きです。さらに、「映画『ラブドガン』オフィシャルフォトブック“LOVE GUN ”feat.宮崎あおい」(リトルモア…

「映画覚書 vol.1」(阿部和重/文藝春秋)

「文学界」や、「Cut」誌に発表された映画評を一冊にまとめた著者初の映画評論集。「文学界」で話題になった「後藤、石川、藤本、そして/あるいは永作」もきちんと掲載されている。「青春ばかちん料理塾」「17才旅立ちのふたり」のDVDのジャケ写と、武…

「ジャンプ」(ねたばれありますので、これからご覧になる方は読まないほうが懸命です)

写真日記本棚ならぬ、映画の中に見る本棚シリーズ。というわけで、久しぶりに映画の中での本が気になった作品がありました。佐藤正午原作の同名タイトルの映画化作品「ジャンプ」(竹下昌男監督)。酒に酔った主人公三谷(原田泰造)を自分のマンションに残し…

「死に花」(ネタバレあり=ラストばらしてますのでご注意)

id:yukodokidoki:20040512を観させていただいて、こりゃあ行かなきゃと行ってまいりました。高級老人ホームで、悠悠自適な暮らしをしている老人が、亡くなった友人の意志をうけつぎ、銀行強盗をするっていうお話なんだけど、非常に計画的に始められて、また…

「スクール・オブ・ロック」(ネタバレあり)

映画みながら思わず、“J.B”“J.B"って、コールしたくなってしまった!ここでいうJ.Bはジェームズ・ブラウンじゃないよ。ジャック・ブラック。あの「ハイ・フィデリティ」で、大音響でレコードかけるレコード屋の店員をやっていたヤツだ。 ジャック・ブラック…

「N.Y.式ハッピー・セラピー」(ねたばれ)

優柔不断で気が弱くて、真面目で温厚そのもののデイヴは、ある日、飛行機で起こった理不尽なトラブルに巻き込まれ、怒りを抑えられない性質というレッテルを貼られてしまう。「怒り抑制セラピー」を受ける破目になった彼の前に現れた医師は、飛行機の隣の席…

「エレファント」(ねたばれありますので注意)

2003年のカンヌ国際映画祭で、史上初のパルム・ドールと監督賞のW受賞を果たしたガス・ヴァン・サント監督作品。出演している少年少女は全て素人の子ばかり。セリフも即興で作られていったという。マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイ…

「殺人の追憶」(ねたばれ)

韓国映画「殺人の追憶」を心斎橋パラダイススクエアで。 映画は少年のアップから始まる。彼が狙っていたのは一匹のバッタだった。少年が立ち上がると、そこは黄色い稲穂が続く田園。無邪気に虫取りをする少年となにごともないかのように揺れる稲穂の中で刑事…

「ドラムライン」(ねたばれあり)

いやあ〜もの凄いものを観てしまった。オープニングからエンドタイトルが終わるまで、興奮で打ち震えた。こんな高揚感を与えてくれるのは、他には後藤真希のコンサートしか思い浮かばない。とにかく映画好きだけでなく音楽好きも映画館に駆けつけなさい!と…

「気まぐれな唇」(ねたばれあり?)

韓国映画「気まぐれな唇」(監督:ホン・サンス)をテアトル梅田にて鑑賞。すっかり韓国映画づいてます。次回は、昨日感想を書いた「ほえる犬は噛まない」のポン・ジュノの「殺人の追憶」を観にいく予定。「オアシス」も観たいし。 さて、本作、舞台では名の…

「ほえる犬は噛まない」(ねたばれあります。)

韓国映画「ほえる犬は噛まない」を4月1日の映画の日に動物園前シネフエスタ4にて鑑賞。 最初、この映画を観るのがものすごく怖かった。なぜなら、犬の扱いがかなり酷いらしい。それでもやっぱりどうしても観たくて、勇気を出して観たわけだが、やっぱりハリ…

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(ねたばれ)

id:o-tamaさんの映画評が面白くていつも見させていただいている。氏の「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」評を読んで感銘をうけつつ、自分の感想も無償にかきたくなったので、書いてみた。と言っても、これは、以前、違うサイトに書いたもので、でもきっ…

「25時」(ねたばれあり)

ずっと前に見たのに感想を書きそびれていた。もう公開終わってますね。 映画の途中、映画の登場人物たちとともに、私はその場所を覗き込んでいた。そしてしばらく、映画を観てるんだということを忘れて、そこで作業している人々に思いを馳せた。さぞかし空気…

「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ!栄光の焼肉ロード」

テレビで再見。「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!おとな帝国の逆襲」と、「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」が、結構泣ける映画ということで評判を得たのを、あえて「クレしん」は、PTA非御用達なんだ!とばかりある意味…

「花とアリス」(一応ネタばれ注意)

フォトジェニック【photogenic】 (形動)人の顔などで,写真うつりのよいさま。 (新辞林 三省堂) フォトジェニック [photogenic]〜な写真写りのよいこと, 写真向きであるさま.(カタカナ語辞典 三省堂) 「花とアリス」を観ながら、岩井俊二作品って、“…

「ペイチェック」(ねたばれおおあり)

今からそう遠くない未来、フリーのコンピューター・エンジニアのマイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)は、高度な技術を持つ男。極秘プロジェクトに参加すると、高い報酬を得る代わりに、秘密漏洩を防ぐため、プロジェクトに関わった期間の記憶を消さ…

「イノセンス」(ネタバレアリ)

私は押井守作品は、劇場では「うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー」しか観ていないし、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」も「イノセンス」を観てからビデオ借りてきてみたくらいの押井ワールドにはあまり縁のない観客なんだけど、「イノセンス」はと…

「アップタウン・ガールズ」

12日で公開が終わるというので、11日にあわててOS劇場に観にいく。“現実逃避のオトナと完全無欠のコドモ”という映画のコピーに惹かれ、期待はしていたのだけれど、その期待以上の面白さだった。アメリカン・ヒューマンコメディとしては久々の傑作と呼んで…