自分でこれをやるんだと決めて、なかなか思うようにはいかないながらも、えっちらおっちらとやっていることとか、これをやってみませんかと声をかけてもらって、やらせてもらっていることとか、そいういうことで手一杯になってしまい、以前のように、この日記を更新することが生活の中心だったような暮らしはさすがに出来なくなってしまった。
思えば数年前にみなさんの協力を得て作ったファンジン「ファンが語る99の後藤真希」も、今なら出来る、でもこの機会を逃したらもう出来ないという確信みたいなものがあって、あの判断は正しかったなぁなどと妙に懐古的になってしまっている今日この頃なのだが(早く言えば単にその時暇だっただけだが)、でもやっぱりここをなくしてしまう気はまだなくて、そして、ちゃんとここに感想を書かなければ、なにもかもが進まないのだということを今通説に感じている。相変わらず、自分にとって後藤真希って大きな存在なのだなということを改めて実感するのだ。
とまぁ、なにやら大袈裟な書き方になってしまったが、なんの感想かといえば、勿論先日観た「後藤真希LIVE TOUR 2007 G −Emotion II 〜How to use SEXY〜」大阪公演(昼の部)の感想だ。なにしろ今回は、生れて初めての最前席ほぼ中央でごっちんを堪能してきたので、一人で思い出しては、むふふふと気持ち悪く笑っていたり、時々、ぽわわ〜〜と気を失ってしまったりしていたのだが、やはり、文字にしておくべきであろうと今、パソコンの前に座っているのである。
当日、ごっちんが、大阪の観客に向かって、「(去年に比べて)みんな大人になったね」といういろんな意味に取れる発言をしていたが、これはひとえに私が最前にいて、見た目の平均年齢を上げていたせいである。ごめんなさいね、最前で、もうごっちんと目があいまくりでぇ、ほんっと申し訳ないわぁ〜、うははははは〜〜(死ね!)


さて、前回のライブツアー「G−Emotion」を私は”香港映画”を例えにだして検討してみたが、今回は“祭り”に例えてみようと思う。過去のごまコンが“参加型の祭り”に該当するものだったとしたら、今回は「観る、観られる」の要素が濃い“祇園祭”的なものといえるのではないだろうか。祇園祭といえば、京都の夏を彩る伝統的な祭りとして名高い。7月1日から始まって一ヶ月続く祭りなのだが、7月17日の山鉾巡行が祭りのハイライトとしてよく知られており、32基の山鉾が、豪華絢爛な懸想品をつけ、約4時間に渡って町を巡行する。それら懸想品は、各山や、鉾が、我こそが一番と、京都の伝統的な美術品以外にも、19世紀イスファハン(イラン)製絨毯や、17世紀中国明朝の刺繍やら、16世紀ベルギー製のゴブラン織や、インド刺繍や、ムガール帝国産の胴懸やら、とここぞと集めてきた美術品を掲げ、観ている方はすっかりそれらに魅せられてしまう。祭りに集まってきた人々は徹底して観る立場におかれて、その観るという行為にぞくぞくとした興奮をかきたてられるのだ。
「G−Emotion II」はまさにそのような祭りといっていいのではないか?! 今回の衣装などは、そういう意味で、これまでとうってかわって、観せる(魅せる)、観られることにこだわったものになっている。とりわけ、王朝貴族風の華やかな衣装で、ごっちんと女性ダンサーさんが現れた時などは、観客から驚きのざわめきが起こったほどである。
曲ごとに繰り出されるそのステージ作りが、一つ一つの曲ごとに工夫を凝らした作りになっている様子は、まさに豪華絢爛な山鉾を眺めているような、そんな気分にさせてくれる。まぁ、そんなことを思っているのは私だけだろうが、派手だとか、ショー的だという意味合いではなくて、それほどインパクトがあり、一つの山鉾を見送っては次の山鉾を見るために首を伸ばしているような、そんなわくわく感で溢れているということなのだ。


エキゾなDISCO」の王朝貴族風のコスチュームについては、ニニンさんがsparkleの9月26日付のエントリーで、

「溢れちゃう…BE IN LOVE」が終わったところでいったん幕が降り、衣装をガラッと変えてここでごっちんとダンサーは全員が宮廷風ドレスに身を包んで登場。下世話なダンスビートにごっちんのウィスパー・ヴォイス、口元を扇で隠して妖しく微笑むごっちん(ここでさすがのぼくも失神寸前に)。男子2名の強制腕立てふせを眺める姿は、その衣装と相俟ってソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』さながら。

 と既に鮮やかに指摘されているが、実は私もこのシーンには映画『マリー・アントワネット』を連想してしまっていた(いや、ほんと)。従って、ここでのごっちんを「マリー・アントワネっちん」と呼ばせていただく次第である(みなさんも既にそうよんでいるのでしょうか?)。
エキゾなDISCO」では、女友だちと戯れる、贅沢三昧の華やかな王女であったごっちんが、その次の曲では一人取り残されて、「ねえ 寂しくて」をせつなく歌い上げる。その姿は、キルステン・ダンスト扮するマリー・アントワネットが宮殿を一人泣きながら歩いてくるあのシーンみたいじゃないか! 


エキゾなDISCO」と「ねえ 寂しくて」の二つの楽曲に描かれるシチュエーションというか、ステージに展開される世界観の落差はかなりのものがあると思うのだが、それが落差というのではなく、違和感のない後藤真希の世界として伝わってくる。この二つの曲の展開は後藤真希というアーティストのふり幅をよくとらえていると思う。華やかさと孤独が背中合わせという状況がなんとよく似合うのか。


また、どの楽曲でだったか、すっかり失念してしまったのだが、ダンサーさん二組がカップルとなって、ごっちんだけが、あぶれてしまうというコメディタッチな演出がある。実際のところは、このようなことは絶対ありえない設定なのだが、そんな寂しい後藤さんには、僕がついているよと観るものに思わせるような、そんなアイドルチックな夢を与えてくれるようなサービス(とよんでいいのか?)も面白く、またもや私はにやにやと気持ち悪く笑ってしまうのであった。


ライブについて書くとなるとどうしても、セットリストや演出に関心がいきがちだし、自分もそういう外枠について、あれやこれや書いてみたけれど、でもでも、今回、一番目をみはったのは、後藤真希の圧倒的な存在感だった。進歩とか進化という言葉でも表現できないような、大袈裟かもしれないけど、圧倒的な後藤真希の圧倒的な輝き、それを見ることができたことが本当に嬉しかった。


さて、そんな「G II」もあと残すところ10月28日の二公演のみとなってしまった。私は影ながら成功を祈ることしか出来ないのだけれど、素晴らしいファイナルになるよう心から願っています!

&最後になりましたが、大阪公演でお会いできた支援班長さん(id:Stage-MK)、りヴぁ。さん(id:River14)、お付き合いいただき本当にありがとうございました。