◆「地獄のババぬき」(上野宣之/宝島社文庫) 「地獄のババぬき」の作者、上甲宣之は第一回「このミステリーがすごい!」大賞において、「そのケータイはXXで」でインターネット読者投票第2位に選ばれ、隠し玉として出版デビュー。その「ケータイはXXで…

文庫本における解説の有無について。

ヌーヴェル・ヴァーグといえば、最近、“ジャン・リユック・ゴダール”の名前が結構重要な要素として出てくる小説を立て続けに読みました。一冊は伊坂幸太郎の「重力ピエロ」で、“「俺はゴダールが好きだよ」春は甘い果実を齧ったように、顔をほころばせた。そ…

「トンネル・ヴィジョン」(キース・ロウ/ソニーマガジンズ)

世界で初めて蒸気機関車が走ったのはイギリスですが、地下鉄もロンドンが最古です。最初は地下を蒸気機関車が走っていたのだとか。その後、路線はどんどん拡張され、しかもそれがあまり計画的でなかったために、今やロンドンの地下鉄は非常に複雑になってい…

「春期限定いちごタルト事件」(米澤穂信/創元推理文庫)

「クドリャフカの順番」が面白かったので、同じ作者の「春期限定いちごタルト事件」を買ってみた。鳩君と小山内さんは、手に手を取って小市民を目指す高校一年生。清く慎ましくひっそりと生きたいと願う二人だったが、頻繁に現れる謎の数々に、つい立ち上が…

「阿部和重対談集」(講談社)

を購入。桐野夏生、角田光代、蓮實重彦との対談以外はみんなまだ読んだことのないものばかりなので、楽しみです。特に保坂和志との対談が二つもあってこれは興味深い!でも、なんで、後藤真希との対談が載ってないの〜?中原昌也氏との対談もないし、きっと…

「ササナキ  巻ノ弐」」(ゴツボ×リュウジ/角川コミックスエース)

コミック界の“ゴッチン”こと、ゴツボ×リュウジ先生の「ササメケ」に続くシリーズ「ササナキ」の最新作。いきなり帯に「バンザ〜イ祝テレビアニメ化」」とあるので、やった〜!と思って喜んだら、帯に推薦文&漫画を描いている吉田健一氏の「エウレカセブン」…

「フラニーとゾーイー」(J.Dサリンジャー/新潮文庫)

「フラニーとゾーイー」を読了。以前にもこの本を読もうとしたことが2度あって、2度とも、なぜか途中で挫折していたのだが、一度は学生時代。「ライ麦畑でつかまえて」を読んだ流れで買った覚えがある(今でも実家のどこかにあるはず)。2度目は、映画「…

「シンセミア 上下」(朝日新聞社)

阿部和重の「シンセミア」をやっと読了。といっても、最初、ちょっととっつきにくくて、何度も本を閉じたりしたのだが、id:yukodokidokiさんが、以前コメントをよせてくださっていた通り、ある地点を越えると、いつの間にかどんどん引き込まれて、私もこの長…

「ハイ・フィデリティ」(ニック・ホーンビィ/新潮文庫)を読みながら。(その1)ヲタクについての戯言

ニック・ホーンビィの「ハイ・フィデリティ」を今さらながら読んでいる。まだ途中なんだけど、読んでると、いろいろコメントしてしまいたくなったので、つれづれと雑感を書いていきたいと思う。 この本のストーリーをひとことで書くと、「ロンドンで中古レコ…

「雨にもまけず粗茶一服」松村栄子 (マガジンハウス)

武家茶道家<坂東巴流>の跡継ぎ息子遊馬(あすま=18歳)が、車の免許を落とし、それを身内に拾われたことから物語は始まる。受験勉強の塾代を教習所通いに使い、京都の大学受験に出かけてるはずが、横浜にドライブに行っていたことがばれてしまった!家の…

「19992004―後藤真希クロニクル」(竹書房)

インタビュー形式がよいとか、ごっちんは編集しないで自由に喋らせたほうが面白いってのをよくわかってるとか、一応そんな感想を書いてたのですが、著者の能地さんが、ご自分のサイトでしっかりそのことについて書かれていたので、その辺は省略。さっさと書…

「檸檬のころ」/豊島ミホ(幻冬舎)

檸檬のころ作者: 豊島ミホ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2005/03メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (113件) を見る”「地味な人なりの青春」をいつか書きたいと思っていました。女子高生なんてだいたい派手で遊んでいるイメージ、でなけ…

「きょうのできごと」(柴崎友香/河出文庫)

3月14日の日記。朝一に十三の某所に呼び出され形だけのお小言を頂戴しw、そのあと、快速急行で池田に出て、確定申告をすませ、その足で久しぶりに池田文庫(演劇関係が充実の図書館)にでも行こうかなと思ったら、月曜休館を思い出し、駅のスターバック…

アンナ・カリーナの誕生日についてと「アメリカの夜」(阿部和重著)。

前々回の日記でアンナ・カリーナも9月23日生まれと書いたところ、id:yoneyaさんから22日ではないでしょうかというメールをいただきました。ネットでアンナ・カリーナで検索してみるとやっぱり22日となっています。阿部和重は「アメリカの夜」の中でジョン・…

「野ブタ。をプロデュース」(白岩玄/河出書房新社)

野ブタ。をプロデュース作者: 白岩玄出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2004/11/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 122回この商品を含むブログ (392件) を見るこの一週間結構本読みましたよ〜。「きみとぼくの壊れた世界」(西尾維新/講談社ノベル…

「リアル」4巻(井上雅彦/集英社)

号泣。いつもよりちょっと話しを急ぎすぎてる感じはしたけど。高橋くんは出ず。また一年待ちます。リアル (4)作者: 井上雄彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/11/19メディア: コミック購入: 1人 クリック: 64回この商品を含むブログ (151件) を見る

「ササナキ 巻の壱」(ゴツボ×リュウジ/角川コミックス・エース)

今楽しみにしている漫画というのは、それほど数多くありません。せいぜい、漫画界のキリンジ(?勝手に命名)ゴツボ兄妹の新刊と、「二十世紀少年」くらいなのですが、なんとその3冊が一度に発売されて、本屋に平積みになってるじゃないっすか!勿論3冊全部…

「ニッポニアニッポン」(阿部和重/新潮文庫)

私が、阿部和重にシンパシーを抱くのは、氏が後藤真希ファンであるということがまず第一の理由なのだが、もう一つの理由として、氏もかつて、ブルース・リーであったということがあげられるだろう。「101匹ドラゴン大行進」というカンフー映画に関する研究本…

「黄色い目の魚」黄色い目の魚作者: 佐藤多佳子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/10メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (72件) を見る

凄い小説を読んでしまった。本の帯を見ると、一昨年度にかなりの話題をよんだ作品らしいのだが、そんなことは全然知らず、「16歳だった、すべての人へ」(そーだよ、そういうのが好きなんだよ!)というコピーをつけた佐藤多佳子著「黄色い目の魚」(新潮社…

「僕と先輩のマジカルライフ」(はやみねかおる/角川書店)

そのゴツボ氏が表紙画を書いている本です。はやみねかおる氏は、NHKのドラマ「ふたご探偵」の原作“名探偵夢水清志郎事件ノート”シリーズ(講談社青い鳥文庫)で有名なかた。本書は、超まじめな大学一年生の井上快人と、その幼馴染で霊感のある(「本物の霊能…

「冷たい校舎の時は止まる上、中」(辻村深月/講談社ノベルス)

立て続けにメフィスト賞受賞作品を3冊2作品読んだ。31回メフィスト賞受賞作「冷たい〜」は、6月、7月、8月の三ヶ月連続刊行で、まだ下巻は発売されていないので上と、中だけを。でもうひとつが、23回受賞作西尾維新の「クビキリサイクル」(戯言シリ…

「インディヴィジュアル・プロジェクション」(阿部和重/新潮文庫)

お、おもしろ〜い!もっと難解な小説なのかと思っていたら、非常に小気味のいい、渋谷を舞台にしたアクション小説だった。後半から○○○○ものか、といささか興味がトーンダウンしたが、主人公が逆切れしたり、居直ったり、とんでもないときにカラオケ行きたが…

「映画覚書 vol.1」(阿部和重/文藝春秋)

「文学界」や、「Cut」誌に発表された映画評を一冊にまとめた著者初の映画評論集。「文学界」で話題になった「後藤、石川、藤本、そして/あるいは永作」もきちんと掲載されている。「青春ばかちん料理塾」「17才旅立ちのふたり」のDVDのジャケ写と、武…

「極限推理コロシアム」(矢野竜王/講談社ノベルス)

第30回メフィスト賞受賞作。深夜に柏原崇とか、綾瀬はるかが出演していた本作を原作としたドラマをやっていたのをチラっとみたんだけど、3回目を見損なったので、本で読むことにしたのでした。なかなか面白いですよ。拉致られてきた7人の「プレイヤー」たち…

「20世紀少年」16巻/浦沢直樹 (小学館)

やっと出た〜! 待ってました〜!・・・・・10分で読めた〜。次は次はいつなの〜!! (ちょっとした更新を押してるのにアンテナあがるのはなんで?しかも忘れた頃にこそっとあがるのだ。)

「15」(青幻舎)

黒瀬康之、今井智己、鳥巣佑有子ら6人の写真家と、藤野千夜の小説(「中等部超能力戦争」という素敵なタイトル)、魚喃キリコの漫画などで構成された「15歳」をテーマとしたイメージ本。ほぼ写真集と言ってもよろしいでしょうか?! 生身の15歳というのには…

「後藤真希写真集 PRISM 」(ワニブックス)

クール&ビューティーな側面以上にごっちんの素の部分とかあどけないかわいい人柄に惚れているファンとしては、今度のカメラマン沢渡朔氏は、自分の好きなイメージではないだろうなという思い込みが先行していた。ところが、開いてみるや私はすっかりこの写…

『マイク一本、一千万ーノンフィクション「M-1グランプリ2003」』(唐澤和也/ぴあ)

本書は、「M-1グランプリ2003」に勝負をかけた若手漫才師たちの取材を中心に、M-1グランプリの全貌と漫才そのものについて迫るノンフィクションだ。本屋で見つけて迷わず買った。M-1グランプリのルポだったら絶対面白いはず。実際読み始めたら面白くて途…

「もっと、私を」(平安寿子/幻冬舎)

文学界は、若き芥川賞受賞作家の話題でもちきりだが(綿矢りさ「蹴りたい背中」は購読予定、「インストール」は上戸の映画待ち。金原さんのはなんか痛そう=文字通り、なので、多分読まない)、この方の才能も相当のものと声高く言いたい。平安寿子。この本…

「アクセス」(誉田哲也/新潮社)(映画「着信アリ」の内容に触れています)

「着信アリ」ってヒットしているんだろうか? 私は、伊丹TOHOシネプレックスで観たのだが、初回割引日だったにもかかわらず客は5人ほどだった。で、この映画については、先日感想も書いたのだが、途中で、“なぜ携帯なのか?”という謎が放棄されてしまって、…