「ヴィレッジ」(ネタバレあります。これからご覧になる方はご遠慮ください)

本当は「スイングガールズ」をみようと思っていたんだけど、まだ時間あるな、とサウンド1stによって、bonobosのニューシングル「あの言葉、あの光」を試聴したりして(結局購入。これは傑作)、それからナビオシネプレックスに行ったら、「売り切れました〜」なんて、叫び声があがっているので、あわてて、三番街シネマに走って、前売り購入済みだったナイト・シャマラン監督の新作「ヴィレッジ」を鑑賞。この映画に関しては、絶対何も知らないで見るほうがいいから、あんまりここでも書けないんだけど、結論から言うとナイト・シャマラン監督作品に駄作なし!
 今から思うと「シックス・センス」は比較的まともな作品だったように思う。それほど、以降の2作品が個性的で、ある意味「とんでも映画」ぎりぎりの、他の誰にも考え出せないような摩訶不思議な魅力にあふれたものだった。今回も、それに引けをとらない独創的な世界が構築され、その中にも繊細で、決め細やかな人間の感情が抒情豊かに語られていて、ホラーでありながら(ショックシーンの描き方はさりげないながら実にうまい)、最高に美しいメロドラマになっている。
で、ここまで読んでも、まだ大丈夫ですが、この先は、映画をご覧になってからお読みください。



 




 



ラストはいろいろと物議をかもすところではありますが・・・。結局のところ、理想郷であるこのヴィレッジの運営の姿っていうのは、マイケル・ムーアが、「ボウリング・フォー・コロンバイン」で“人々に恐怖を植え付けるアメリカ社会”を暴き出し、「華氏911」で、まさに今、アメリカ政府が、国民にそれを植え付けているという風に描いたのと同じものであるんじゃないだろうか? しかしそれが今までどおりには、いかなくなるだろうことは、容易に想像がつき、この物語の行く末が気になってしょうがないのである。