「ササナキ  巻ノ弐」」(ゴツボ×リュウジ/角川コミックスエース)


コミック界の“ゴッチン”こと、ゴツボ×リュウジ先生の「ササメケ」に続くシリーズ「ササナキ」の最新作。いきなり帯に「バンザ〜イ祝テレビアニメ化」」とあるので、やった〜!と思って喜んだら、帯に推薦文&漫画を描いている吉田健一氏の「エウレカセブン」のことだった。あ〜紛らわしい!
さて、このシリーズ、滋賀県を舞台に、登場人物の名前全てが滋賀県の地名に由来しているというローカルな漫画なのだが、脱力系青春サッカーマンガであった「ササメケ」に対して、なぜか「ササナキ」は、甲賀忍者に由来させたいためか、「忍者マンガ」として、スタート。一巻を読む限りでは、「ササメケ」で挫折した元サッカー部のメンバーが、フットサル部を作るような動きが見えていたのだが、今回、あっさり、美少女キャラの一言でサッカー漫画にカムバックしていた。「ササナキ 巻ノ弐」とほぼ当時発売されたゴツボ氏の「パン☆テラ」③(小学館IKKIコミックス)。このシリーズも町の青春バンドものとしてスタートしておきながら、2巻ではバンドはどこへ?という摩訶不思議な世界へと移行し、さらにこの3巻では、前半バンド漫画に戻ったと思わせながら、最終的には、怪獣漫画になっていたという奇天烈な作品として完結(最後の方は誰もついていけなかったのでは?と推測)しただけに、今後の「ササナキ」もどういう漫画に移っていくかは、全く不明である。
さて、さて、今回、いきなり、前作では主役級だった甲賀忍くんが、一挙に影の薄い存在となってしまっていて、寧ろ、「ササメケ」では主役でありながら、作者の愛情がとみに薄く感じられた長浜楽市の方が目立っているという具合だ。作品内キャラポジションも、今後、どう推移していくのか見ものといえよう(ってどんな漫画だ?!) 相変わらず、濃い〜キャラが大爆発だが、ちょっと残念なのは、新キャラが、イマイチ魅力に乏しいことと、近江舞子が出てこなかったことで、まあ、近江舞子はどこか裏で、また暗躍している可能性はあるのだが、最後に出てきた私が一番気に入っているキャラクター「安土桃山(とうざん)」が、かなり手抜きで描かれてて脱力した。桃山が帰ってきたということは、いなえちゃんも復帰するのか?!
巻末にササメケササナキ、キャラクター人気投票結果発表というのが載っていて、おお!さすが近江舞子が一位か!日野さんが意外な人気と真剣に読み、そして、“詳しくは6月31日に出るササナキ&ササメケ合同ファンブック「ササナケ」に載ってるンデ、ヨロシク”という情報にこころ躍らせてたら・・・どっちも作者の脳内だってさ!・・・最初から最後まですっかり騙された!