「初恋」

最近観た映画:「ウオーク・ザ・ライン」「ブロークン・フラワーズ」「雪に願うこと」「嫌われ松子の一生」「初恋」「タイヨウのうた」。う〜ん、あと何か観たっけ? 感想書こうと思うと寝てしまう。今日はなんとしても「初恋」について書くぞ〜!
宮崎あおい主演の映画「初恋」。「“三億円強奪事件”の実行犯は当時18歳の女子高生だった」というコピーを観て、どんな描き方をしてるんだろうなあ〜、きっと本当の実行犯というよりは、なにかもっと心の中での幻影みたいな描き方をしてるんだろうな、なんて思って観にいった。でも観終わった今は、これはもしかして本当に実話なのかもしれないと思っている。
宮崎あおいが、鎮痛な面持ちで画面に映し出されるそのアップにどうしてこれほど、心を掴まれたのか、同じように宮崎あおいにカメラを据えて執拗に宮崎あおいのアップを映していた「好きだ、」には全然のれなかったのに、この作品には持っていかれたのは、何が違うのか? 未だによくわからないのだけれど、とにかく、後半あおいちゃんの横顔を見てるだけで、もう泣けて泣けて、涙が止まらなくなってしまった。
一つ原因は考えられる。それは、宮崎あおいが初めてバイクに乗る場面。彼女のバイクが突然動く。それは、ちょっとしたアクシデントで、その画面につづくのはきっと、困ったような顔の宮崎あおいか、怒った顔の宮崎あおいだと予想した。ところが、その切り替えしの画面に映ったのは、最高の笑顔を見せてバイクを走らせる宮崎あおいだった。
その画面に、衝撃を受けてしまった。きっとそこで何かが変わった。それは彼女の成長でもあり、人生における一つの飛躍でもあったろう。それをたったの2ショットで描いてみせる鮮やかさ。それはクレヨンしんちゃんの映画「嵐を呼ぶ!栄光のヤキニクロード 」で、補助輪つき自転車の補助輪がはずれてこの年齢[五歳くらい]に誰もが経験する成長の様を実にスピーディーな設定で描いて見せた、その画面とシンクロする。これが映画のマジックというものに違いない。その後は、もう、この主人公にどっぷりと感情移入してしまい、最後の台詞まで物語の世界へ、どんどん深く導かれていったのだ。