「50回目のファーストキス」

梅田ブルクにて。「ウェディング・シンガー」のアダム・サンドラードリュー・バリモアコンビが再び組んだロマンチック・コメディー。ポール・トーマス・アンダーソン監督の「パンチドランク・ラブ」で、愛する女性のために何もかも放り出して、ハワイに飛んでいったアダム・サンドラーが、今回は、ハワイ在住の特定の女性とは付き合わないプレイボーイを演じている。そんな彼が、ふとしたことで恋したのは、前向健忘という記憶障害を負っていて、夜眠ると、記憶が事故の前日に戻ってしまう女性であった。そんな彼女に彼は毎日、愛の告白をするのだった・・・。
アダム・サンドラーといえば、その「切れる」演技が絶妙の役者。前作の「NY式ハッピーセラピー」もごくごく普通の穏やかな人間なのに、まわりから無理やり切れやすい人間に仕立て上げられる主人公を演じていて笑わせてくれた。小心な主人公が我慢して我慢したあげくぶちきれるというのが彼の映画のパターンだ。
ところが、今回はそのお得意の“切れる”彼は見受けられない。そのかわりクローズアップされるのが、”辛抱強い”彼。そういえば、切れる、切れる、ということばかり、目立っていたけど、一方で、彼は我慢し続けてもいたわけで、そう意味ではこれもれっきとした伝統的アダム・サンドラー映画なのだった。
主役の2人以外では、ロブ・シュナイダーというコメディアンが物凄い存在感を出している。最初、ハワイのコメディアンを使っているのかと錯覚したくらいのなりきりぶり。彼の存在のせいか、全体的に下ネタ全開のコメディーに仕上がっている。にしても、「シックスセンス」のあんなおおっぴらなネタバレはやっちゃってもいいものか??