「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」(ねたばれしてますので、これから観にいくかたは、見ないほうがよいかも))

chori2004-12-06

1939年のニューヨーク・シティー。世界に名を知られた科学者が次々と行方不明になる事件が発生。「次は誰か知っている」という手紙を受け取った新聞記者のポリー(グウィネス・パルトロウ)は、「オズの魔法使い」が上映される映画館で「次は自分だ」と怯える男に接触する。その帰り道、彼女はとんでもないものにでくわしてしまう。巨体ロボットの群れが街を行進し、破壊しているさまだった。そこへ現れたのは、空軍のエースパイロット、スカイキャプテンことジョー・サリバン(ジュード・ロウ)!巨大ロボットを操っているのは誰か!? 科学者たちの失踪事件がどうからんでいるのか、スカイキャプテンたちの冒険が始まる!!
 う〜ん、映画配給会社の宣伝部員にはとてもなれないなあ・・。でも映画は文句なく面白い。
まず、この映画、俳優達はブルースクリーンの前で演技し、背景などは、全てCGで処理されている。その色調が非常に個性的で、ソフトフォーカスのはいった、アニメと実写の中間みたいな絵作りをねらったような感じ。ちょうどイラストレーターで、鉛筆だけで作品を描くかたがいますが(勉強不足で名前はすぐに思いつかないのですが)、光と影のつけかたなどその手の絵を想像させる画面と思ってもらえればよいでしょう。ので、見ていて、その霞がかった絵作りに途中、眠気が襲ってきて睡魔との闘いになっていた部分もあったのですが、グウィネス・パルトロウのキャラクターの面白さと、彼女とスカイキャプテンの関係が、ハワード・ホークススクリューボールコメディーの傑作「ヒズ・ガール・フライデイ」における、ロザムンド・ラッセルとケーリー・グラントを想起させ、いつの間にか眠気はどこかへ飛んでいきました。
ロボットの造形が、昔のブリキのロボット風で、「ラピュタ」のロボットみたいで、「鉄人28号」の雰囲気だったりして、非常にレトロなわけですが、全篇が、往年のハリウッド映画へのオマージュになっています。お互いにひかれているのに、いがみあってるばかりの頑固な男女っていうシチュエーションはなんでこんなに面白いのだろう? 大股でずしずし歩き回るロザムンド・ラッセルにまけじとグウィネス・パルトロウが、ひっかきまわしてくれます。例のボタン押すところなんて、お前は、「あずまんが大王」の“ボタンがあったら押すだろー?”の「とも」かい!と笑ってしまいました。
画面に凝った映画といえば、画面ばかりに気がいって、物語が少々おざなりになってしまったりもするのですが、この映画は、なにより脚本が良く出来ております。カメラのフィルムがあと2枚しかないということから起きるサスペンス(?)は、デジカメだったら出来ないネタ。グイネス・パルトロウとともに、カメラを持った気になって、自分なら何処撮るだろうと思ってみるのも楽しかったです。オチが最高!です。