「アバウント・シュミット」アバウト・シュミット [DVD]出版社/メーカー: CCRE発売日: 2004/01/10メディア: DVD クリック: 54回この商品を含むブログ (128件) を見る

アレクサンダー・ペイン監督の「アバウト・シュミット」について。
物語は、ジャック・ニコルスン扮するシュミットが定年退職を迎える場面から始まる。その翌日から何もすることが無く、新しい生き方を模索するでもなく、これまで依存してきたごく限られた人間関係にさらに依存していく、ああ!もう!身近を振り返ってみるとこんな人たくさんいる!この老人のなにがいやかというと、生き方が嘘にまみれているからだ。そりゃあ、正直にだけ生きていくのは難しい。でも、心無いことばかり言っていると、どこかで、わかってしまう。だから、シュミットが娘の結婚式で感動的なスピーチをしても、みんなシーンとしてて、やっぱり、どこかで本音でないとわかってしまうんだな。この人は、娘に何かしてやってきたのだろうか。金銭的なこと以外で。
シュミットに救いがあるとしたら、自分の孤独にいやでも向き合っているということか。これする出来ない人が多いから。家族がいても、最後は、自分一人だ。これは小津が描いてきた世界でもある。小津が描いた老人のように物分りのいい人はまだそういない…。