アダム・サンドラーの映画をもっと。

パンチドランク・ラブ」を観る以前は、アダム・サンドラー作品を「Mr.ディーズ」しか観ていなかったので、
2作ほど、ビデオを借りてきて観る。
「ウエディング・シンガー」('98)
アダム・サンドラーといえば、坊主頭というイメージがあるのだが、ここでは、'80年代風長髪。…と思ったら
舞台は、'85年らしい。80年代サウンドがばんばんかかる。カルチャー・クラブカジャ・グーグー、スパイ
ダー・バレーの「TRUE」をあの“へんな顔”(by「ファーゴ」)で御馴染みのスティーブ・ブシェーミが歌い、
ドリュー・バリモアがD・ボウイの「チャイナ・ガール」を口ずさむ。80年代に一番音楽聴いていた私などには、
もう、涙もの。
 で、サンドラーだが、結婚式当日に新婦にドタキャンされて、おー、キレてる、キレてる!「パンチドランク・
ラブ」の“普段は善良で物腰柔らかいんだけど、キレると暴力的”というキャラクターは、これまでのサンドラー
映画のキャラクターそのもののようなのだ。
もう一本の「ウオーターボーイ」は、母親に溺愛された30男が、友達もなく、侮辱され、ついにキレて、それが
きっかけで、フットボールのスター選手になっていくというコメディーで、キレることが原動力になっていく。
しかも、このキャシー・ベイツ扮する母親のアダム・サンドラーへの接し方は、「パンチドランク・ラブ」の7人の
姉に重なるところがあり、それがサンドラー扮する主人公の人格形成に深く関わっているようなのだ。
パンチドランク・ラブ」のポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督は、こうしたサンドラーのキャラクターを
踏襲しつつ、PTA式サンドラー映画を作ってみせた、ということのようである。