「スクランブル」(ただし、若竹七海の小説)

傘を持たずに外出していたら、3時頃から猛烈な雨と雷に見舞われる。しょうがないので小降りになるまで本屋で雨宿りをすることにして、宮部みゆきの「R.P.G」をパラパラと立ち読みする。これは発売時に即買って読んだんだけど、即古本屋に売り飛ばしたため、今、手元にない。この作品がドラマ化され、ごっちんが一美役をやるっていうことで、一美を中心に再度読見直してみたいという衝動に駆られ、もう一度買おうとしたんだけど、まだ雨は降り続いていて、やっぱりもったいないんじゃないの、一度買った本をもう一度買うなんて、と思い直す。今夏NHKドラマ化! って帯がついて、ごっちんの写真が載っていたら、話は別だけれど。そこで、ふっと横にある若竹七海の小説が目に入った。タイトルは「スクランブル」。ん?これって、6月18日発売のごっちんの7thシングルと同タイトルではないか〜!
若竹七海はデビュー作「ぼくのミステリな日常」のみ読んだことがあり、これは面白かった。 紹介文を読むと、“過ぎ去った80年代を背景に、名門私立女子校で起きた殺人事件をめぐって鮮やかに描かれる青春群像”とあり、オオ、面白そうと思わせたところで最後に“17歳だったことのあるすべての人に贈るほろにがくて切ない青春ミステリの傑作”と書かれている。なんか、ノスタルジーにひたれそうという気持ちと供に、“スクランブル”=“17歳”とくると、もう後藤真希しか思い浮かばないわ、今の私は。
これも何かのめぐりあわせ、とばかり、「スクランブル」(集英社文庫)購入。やがて雨もあがり、帰宅してから早速読んでみると、これが非常に面白い。ミステリとしての仕掛けも相当なもんだが、なにより、学園生活の描写が丁寧。学園ミステリ物というと、軽いタッチのマンガチックなものや、東野圭吾の初期作品(あるいは、法月の「密閉教室」とか)に見られるような、類型的な登場人物を想像するが、そんな粋も脱していて、女の子たちが、実に生き生きと感情豊かに描かれている一級の青春小説になっている!
読みながら、これを映像化するとしたら、どんなキャスティングがいいだろうと考えた。’85年生まれの宮崎あおい上戸彩前田亜季後藤真希の共演が観てみたい。ちょうど、彼女たちは、今17歳、今年18歳になる。で、まず、ごっちんだが、登場人物のどのキャラにもあまりピッタリあてはまらないのだが、とにかく一番目立っててほしいので、ちょっと奇行(?)が目立つ宇佐晴美にしよう。で、はっきりとした性格で、喧嘩もできる彦坂夏美に上戸彩。白皙の美女で学業優秀だが、テンポがとろい飛鳥に前田亜季(これは適役だと思う)、宮崎あおいは、案外、敵役の清水千夏役も出来るかも。でもまあ、15年後が出てくる話なんで、本当の映像化はちょっとしんどいね。
ところで、ごっちんの新曲「スクランブル」は、映画「青春ばかちん料理塾」の主題歌だから、スクランブルエッグの意もあるんだろうな。この若竹小説も、章のタイトルが、全て卵料理の名前になってるもん。