「猟奇的な彼女』DVD(ネタバレあり)

これだけ、多くの映画が公開されていると、いくら気に入った映画があっても、学生時代のように何回も観にいくってことはなかなかできない。観にいく時間があれば、数多く、観たいから別の映画に行ってしまう。年末のベスト10選びなんていうのもやってみたいし。
 そんな中で、今年、唯一、映画館に2度足を運んだ作品が「猟奇的な彼女」。実はサントラも持っている。そう、もう、ほんと大好きなのだ。
何のとりえも、目的もない平凡な青年が、暴力的でわけあり風の女性に振り回され、やがて・・・という、ラブコメの王道なんだけれど、とにかく、シナリオが抜群に良く出来ている。
 何度も見直していると「彼女」の奇抜な行動にも全て理由があって、最初からウルウルきてしまう。映画特典をみていると、撮影風景で、監督が、“「しこふんじゃった」観た?”とチャ・テヒョンに言っている場面があった。この映画に日本文化が与えた影響って、結構大きいんではないかと。
とりわけ、男女間の設定が、日本のマンガ、ちょっと古いけど紫門ふみの「元気です!俊平」や、高橋留美子の「めぞん一刻」を想起させる。 クアク・ジョエ監督は、大阪の舞台挨拶で、“日本のマンガ「行け!稲中卓球部」にもヒントを得た”とコメントしているし。
それとですね、メロドラマの典型的な「すれ違い」の描き方が秀逸。
結構頻繁にでてくるのだ。特典映像の未公開シーンをみていると、もっとたくさんすれ違いシーンがあったようだ。