後藤真希 LIVE TOUR 2006 〜G-Emotion〜 @大阪厚生年金会館(11月25日)[大雑把なLIVE感想編]

10/14の市川市文化会館の公演を皮切りにはじまったこのツアー。去年のツアーもスタート時は賛否両論とびかっていましたが、今回は、それ以上、むしろ否というか戸惑いの意見の方を多くみかけたように思います(ツアーが進むにつれ賛の声が大きくなっていきましたが)。
最終日の大阪公演にしか参加できない自分は、何の発言もできないのがもどかしくてうずうずしていたりもしたのですが、そんな中で、今回のツアーのイメージを勝手にあれこれ予想しておりました。


ごまコンを香港映画に例えると。


これまでのごまコンのイメージをアクションあり、涙あり、笑いありのパワー溢れる従来の香港映画に例えるとします。まあ、従来のごまコンがそんなものだったか?という疑問はちょっとおいておいて。
さて、今回の「G-Emotion」が賛否両論を呼んでいるのはなぜか? G-Emotionはどのような香港映画なのか? ツアー前にごっちんがラジオで発した「これまでとはがらりと変わります」という言葉をたよりに以下のようなものを予想してみました。

(1)例えば、ハリウッドやフランス映画にオフアーされたジェット・リーが、自分でアクションが出来るのに、やたらSFXを使われて生身の迫力を消されてしまった、そんな欧米産の香港もどき映画。

(2)あるいはジョニー・トーの1999年の作品「ザ・ミッション 非情の掟」のように一切のおふざけや従来の香港映画のイメージを排して、形式美と男の美学に徹したスタイリッシュな香港映画。


もし(1)だったら私もあまり気に入らない内容のような気がするし、でも(2)だったらありだなと思っていました。


で、今回、千秋楽にしてようやく見ることが出来た「後藤真希 LIVE TOUR 2006 〜G-Emotion〜」がどういうものだったかというと(1)でも(2)でもないといえるし、(1)でも(2)でもあったと言えます。


・・・・・・・・・・なんだかここまで書いておいてなんですが、私、ものすごくわかりにくい例えをしていますよねー。ちょっとマニアックすぎましたか・・・ここまで書いたんだから進めますが・・・


(1)があてはまっているということに関しては、マジックやイリュージョンが、そのSFXにあたるものだと思いました。大掛かりな仕掛けの割りには効果が感じられない。マジックは、ごっちんが昨年のファンの集いでやったほうのが面白かったくらいだし。まぁ、イリュージョンは、あのごっちんが浮いたカッコウでしかも微妙に下がってくるタイミングで歌いだすのが、言葉が悪くて申し訳ないのですが、なんとも間抜けで、でも、これはそこいらのJ−POPのかっこいい系のライブでは絶対やらないような間抜けさで逆の意味でナイス!と思いました。でも、せっかくの『ペイント イット ゴールド』のコン復活なのですからあの間奏では踊ってほしかった。もっと生身のごっちんを!ってことですね。
 
(2)つまりこれは“ハロプロらしくない”、という意味なわけなんですが、もう、冒頭三曲のかっこよさ、スタイリッシュな感じにはしびれました!男サーさんとの息のあった感じも凄く伝わってきたし。あと、曲と曲の間をつなぐ感じで使われるインストが、また滅茶苦茶かっこよくて、ちょっとクラブジャズ系なのかフロア系って呼ぶのか、そのへんはよくわからないけど、ジャズっぽいアレンジのピアノのインストとか凄い雰囲気が出ていて 、まあこのへんが「ザ・ミッション」的っていうか、ハロプロらしくない、だからファンの人間を戸惑わせるに十分なものでありました。


(1)でも(2)でもあったという部分はこんなところなのですが、(1)でも(2)でもなかったということに関しては、G-Emotionはどんな香港映画かといえば、ジョニー・トーの「ザ・ミッション」じゃなくて、同じくジョニー・トーの「暗戦 デッド・エンド」だ!ってことなんです。 ってまたわかりにくい例えで申し訳ないんですが、スタイリッシュにしょうと思えば、出来るのに、妙にふざけてたりする部分があったり(いや、大真面目なのだがただ笑えるだけなのか?!)、わざと完成度をおとしめているというか、それでいて、アクションシーンのダイナミックさったらないわ!みたいな迫力で、トータルでいえばこれほど力強いものはない!っていう力技で押してくる映画なんですね(TSUTAYAでDVD探してみて! アンディ・ラウのある意味素晴らしい女装が見られます!)。


ごまコンはごまコンで他の何にたとえられるものじゃない!と私は思っているんですが、あえてわかりやすいように例えを出して考えてみました。けど、その例えがマニアックだったため、寧ろわかりにくくなってしまったというこの矛盾・・・


気をとりなおして。今回の大阪公演の昼の部で受けた印象はこのようなものでした。
一つ、一つの楽曲に関してのクオリティーはものすごく高いけど、全体のまとまりとしては無骨。 一曲、一曲は楽しいんだけど、一つ一つに力がはいりすぎて、全体のバランスを失している。
でも、だから駄目というわけではなくて、寧ろ、その力技的な部分を断固として評価したい! 


そういう感想を昼にもって、夜公演に臨んだわけです。昼は前から7列目の上手側でしたが、夜は1階最後列。まぁ、昼に間近で見られたから夜は全体の構成をじっくり見られればいいやくらいの気持ちだったのですが、昼の時に持った印象はここでがらりとくずれました。全然、無骨でもないし、不器用でもない。何よりも“見せる”“魅せる”にこだわった演出の統一感がひしひしと感じられる! 観る場所にもよるだろうし、ラストということでごっちんもダンサーさんもいつも以上に気合が入っているだろうということもあるのでしょうが、昼に無骨に感じられたような部分はまったく感じられない。


つまりは、それほど、これまでのごまコンに慣らされてきた身には、今回のLIVEは違ったものだったということが言えるのかもしれません。だから一回目では戸惑いのほうが先行することになったのかもしれません。


そうして、感動的なファイナルへ。
長くなるのでここでいったん切ります。次回は普通のコンレポを書いてみようと思います。