「日本のこわい夜・特別編」

以前、「感染」と「予言」というJホラー映画の宣伝もかねて、「義経」にも出演中の白石加代子狂言回しにした同名タイトルの数編の短編オムニバスのドラマが放送されましたが、今回は、Jホラーの第2弾「輪廻」の宣伝ということらしい。といっても公開はまだ先で来年の1月とのこと。
それの第二弾かな〜というくらいで、観だしたんだけど、くりぃむしちゅー司会、ゲストに劇団ひとり勝俣州和、ヒロシ、ユンソナと、まったくのバラエティのセッティング。でも、右上にはずっと「史上最強Jホラードラマ」というテロップが出ている。
お笑いタレントが多く出演しているせいか、おどろおどろしいところがなくて、やたらと笑わせられながらも、「本当にあった史上最恐ベスト10」と番組は進行していく。第10位は、映像に映りこんだ怪奇現象ということで、これまで散々紹介されてきた「サスペリア」のタクシーの運転手の背中に映る人の顔とかを紹介する一方で、病院の待合室などの監視カメラに映った怪奇映像を紹介、これが怖いのなんの、なんなのあれはというしろもので、勝俣曰く「普通の番組なら、これで2時間ひっぱっていきますけど、まだ先に怖いのがあるんですよね〜」。そして、第9位。自殺した女性の霊を探索するヒロシ。これは正直10位よりも怖くなく、最後お笑いに走るので、素直に笑ってみてました。ここまでまったくドラマの雰囲気がなく、バラエティ番組そのもの。それでも右上には「史上最強Jホラードラマ」のテロップが。
そして、第8位。「ほんとうにあった呪怨の家」ということで、テレビ界では取材しようとするとスタッフがバタバタ倒れるなどの現象のせいでタブー視されているというある東京の空き家に友近が潜入するという生放送。これが圧巻でした。友近が通った後に鏡に何か映っていたような気がするという劇団ひとりの発言で、その場面を再現してみると、映ってるよ〜!女の顔が〜! さらにあかずの間と呼ばれる押入れを友近がスタッフと、ねじあけるとそこから水がだ〜っと出てきて、ま、それ自体はどうってことないんだけど、あとから、観たその場面のフィルムに幽霊が映りこんでいるのだ! それは誰も指摘するわけじゃないんだけど、冒頭での第10位の怪奇映像や、さきほどの鏡に映る顔が脳裏にやきついてるもんだから、自然に捜してしまうわけだ。で、見えるわけだ! これはドラマ、これはドラマ、とわかっていても、目茶目茶怖いのだ〜!
ま、そこから、急激に画面はちゃんとしたドラマに変わっていって、急に怖くなくなってしまうんだけど、よく出来た作品だったと思う。どうせなら、「ドラマ」という文字を伏せてやってほしかったような気もするが、世の中には洒落のわからない人も多いし、ましてや、かっての「宇宙戦争」のラジオドラマが引き起こしたパニックなんてことになったら(んなばかな!)まずいし、やはり配慮は必要か。
ラストで、出演者の中にドラマということを知らされてなかった人がいたことが明らかにされて、ベスト8までしか用意されてなかったことも暴露されるわけだけど、そのタイトルを書いたボードを持っていた女性が、9位の時に、下のズポンを脱いで、8位で、上を脱いで、水着姿になっていて、じゃあ、7位だったらどうなるんだいという下世話な興味を持った人も多かったと思うけど(そりゃ、私だけか!?)そういうオチだったとさ。
監督は、ただいま「ノロイ」が絶賛上映中の白石晃士。脚本は都築浩。そしてプロデューサーは、「ノロイ」Jホラームービーの一瀬隆重。参りました。