「ハービー 機械仕掛けのキューピッド」(完全にネタバレしてますのでご注意ください)

スクラップ寸前だったおんぼろフォルクスワーゲンが、名ドライバーである可愛い女の子の運転で、でっかいレースに出て、強豪レーシングカーと競いあうことに! 妻の死後、娘を男手ひとつで育てた親父さんは奥さんをなくしているために、娘をレーサーにはしたくない。レーサーになりたい、レースに出たいと訴える娘だが、彼は首をふらず・・・。とまあ、この夏のディズニー映画のストーリーは、この春に公開されたディズニー映画「レーシングストライプス」にあまりにもそっくりで、笑ってしまう。
でも、この作品、予想以上に楽しく、見終わったときにはスカッと爽快!なかなかの快作に仕上がっていた。
フォルクスワーゲンの擬人化がほどほどなのと、このフオルクスワーゲン(そうそう、名はハービーという)が、結構、いたずらで、悪い子という点が(ディズニーらしくなくて=尤も、もともとハービーは60年代の古いディズニーキャラクターなのだが))いい。そして、悪役があくまでも人間であるという点が、競走馬を悪者にしていた「レーシングストライプス」とは違う点で、感情移入しやすい(マット・ディロンが怪演している)。運転手の気持ちがハービーに伝わると、ハービーは快走するという仕組みで、スケボーの要領で走れればよいのにとヒロインが願った瞬間、ハービーが、壁伝いに走ったりするという画も面白い。冒頭、ヒロインが大学の卒業式にスケーボーで飛び込んでくるシーンがあとから生きてくる。伏線の張りかたもうまいのだ。要所要所の画の作り方もわかりやすくて、有名どころのポピュラーミュージックが、どど〜んと流れ画面を盛り上げてくれる!
ヒロインを演じたリンジー・ローハンは、映画女優にして、10代の人気女性アーティストの1人、同世代を中心に圧倒的支持を得ているカリスマ的ティーンセレブなのだとか。どことなくその容姿は、マイケル・ジャクソンに似てる気がしないでもないけど・・・(?)。