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chori2005-05-23

●ただ今のBGM:’68年、カリフォルニア州オークランドで結成された白人黒人混成ファンクバンド、Tower of Powerの「Back to Oakland」。当時は、リズム&ブルースを文字って、「リズム&ブラス」と言う文句で売り出されたバンドというだけあって、ホーンセクションとか、もうめっちゃくちゃかっこよいです。いくつか聴いたファンクバンドの中では一番好きかも。
●本棚の奥から「イギリス新鋭作家短編集」(柴田元幸訳/新潮社)を引っ張り出してきました。発行は1995年。英国の文芸誌「GRANTA」から選りすぐった5編がおさめられていて(実は原書の方も持ってます)、その中の一番最初に収められているハニフ・クレイシの「エイト・アームズ・トゥー・ホールド・ユー」を読む。ハニフ・クレイシは、「郊外のブッダ」(これもかなり面白い!)や、映画「マイ・ビューティフル・ランドレット」の脚本などで有名なパキスタン系イギリス人作家。本作は、「ロンドンとケントの境にある男子校で、ある日僕らの音楽の先生が言った。君たちは、ビートルズの歌に夢中になっておるようだが、あれを作ったのは、ジョン・レノンポール・マッカートニーではないのだよ、と」。で始まる。これは、英国の保守主義の大人の代表である音楽の先生が、教養のない若造なんぞの成功など認めたくないという思いから出た発言であり、作者は一貫してビートルズを絶賛しながら、結果として、作品がビートルズを通しての現代イギリス考になっているのが面白かった。こんな調子で後藤真希について書けるようになりたいものだ・・・とちょっとマジで思った。