[音楽]懐かしのミュージックテープ

ミュージックテープというと、最早、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」では、明らかに時代遅れの扱いを受け、コミックス「20世紀少年」の近未来では、最早、絶滅しかけているような扱いを受けているわけですが、この週末に、家の大整理をしていると、まったく存在を忘れていたミュージックテープが大量に出てきました。大半はレンタルしたものをダビングしたもので、ハッピーマンデーズとか、スミスとか、映画のサントラとか、なぜか山瀬まみが混じっていたりして、何か名曲があったのかなあと思いつつ、そんな中に、昔、イギリスで買ったミュージックテープが十数本入っていました。1990年から一年間、家庭の事情で、イギリスはケンブリッジに住んでたことがあるんですが、町の中心の小さなHMVで買ったものです。

なんで、テープなのかというと、借りていた家にカセットデッキしかなかったので(イギリスでは家は家具つきで貸し出されます)、アナログもCDも買っても聴けないので、カセットテープを買っていたのです。でも、この家だけではなくて、ステレオもCDプレーヤーもない家というのは、イギリスではそれほど、珍しくもなかったようで、特に学生などは本当に質素な生活をしていて、1990年当時、こうしたミュージックテープが普通にメジャーから出てショップで売られていたのでした。その後、イギリスの社会情勢は、がらっとかわり、アメリカ的な消費社会化していったようですが、今でもまだこのテープってあるんでしょうか? 2000年代制作のイギリス映画などを観ていると経済的に成功した裏っかわで、貧しい人はより貧しくなっていっているように感じられますが・・・。
さてさて、出てきたテープは、ICE CUBEなどもありますが、たいていはイギリス産のHIP HOP、ブラックミュージックのテープです。90年当時、ちょうどイギリスのブラックミュージック界にアメリカの真似事でなく、独自のスタンスを持ったアーティストが出てきたころで、とても面白い感じだったことを記憶しています。尤もイギリスに住んでいたといっても、ライブの類などには足を運んでいないので、ただ、ラジオや、雑誌や、こうしたテープで見聞きしただけのことなのですが。でも、今みると、殆どのアーティストがアルバム1枚〜3枚くらい出して消えていってしまったように見受けられます。それらがテープで残っているというのも何かまた示唆的なのでしょうか?
でも、テープは結局のところ、なくならないんじゃないかと思いますね。そういう自分もやっとMDレコーダー買ったんですが。