「3rdステーション」後藤真希(ピッコロタウン - ASIN: B000758XY8)

chori2005-02-24

後藤真希3rdアルバム『3rdステーション』は22日にしっかりフラゲ。近所のサウンド1st(オリコン集計店です)で購入したら、おもいがけずポスターもついて来た。22、23日午前中はず〜と時間がとれなくて23日午後になってやっと聴くことが出来たんだけど、聴き出すと、真剣に聴いてしまうので「ながら」聴きができないためやるべきことがやれないという事態へ。まったく困ったもんである。
バラエティーに富んでる作品だろうとは当然予想していたのですが、ここまでバラエティに富んだ出来になっているのには、少々驚いた。これまでもごっちんのアルバムは傾向の違った曲がどどっとはいっていて、それが後藤真希が歌うということで、不思議な統一感をかもしだしていたのだけど、今回は、こっちの想像以上のふり幅。11曲入りなんだけど、もっとはいっているようなそんな錯覚を起こさせる贅沢な作りになっている。へたすると統一感のない散漫なものになるところが、今回は、「後藤真希が歌う」ということだけに頼るのでなく、確かなアートワーク、確かなコンセプト作りが成されていて工夫されている。過去2作品はアルバムの内容的には私はどちらも大好きなのだが、こういうワークデザインがおろそかだったので、随分損をしていた。
さて、さて、全体的なイメージとしてはそんな感じなんだけど、個々の作品をみていくと、やはり『エキゾなDISCO』と『シンガポール・トランジット』が群を抜いて素晴らしい出来! とりわけ『シンガポール・トランジット』が物凄〜〜〜く好き!くねくねくねくねしたメロディーライン、ほわほわっとした脱力系のアレンジ、そして可愛らしい歌詞、ごっちんが妄想してるんだよ。海外旅行を夢見るおしゃべりな女の子、次から次へと情景を思い浮かべてみて、急にはっと我に返って現実的になってみたりとか、と思ったらまた妄想の世界へときて、ラストでは「あれれぇ?」ですからね、しかもそれに相槌を打たない彼氏、「またやっとるわ」みたいな。いやでもこれはその彼氏もまたこの歌の女の子の想像の産物なのかもしれない。全てが夢の世界のような。高橋諭一のほわほわしたアレンジやコーラス
は“夢の中にいること”を想像させる。「この夢よ覚めないで」っていう歌なのかもしれない。夢から覚めた女の子は「あ〜、夢かあ」と思いながら、またにっこり笑うのかもしれない。
『19歳のひとりごと』は、ごっちんの歌うことに対する歓びがリアルに伝わってきたり、これまでにはなかった歌における「貫禄」のようなものを感じることができて思わず涙。とはいえ、このアルバムで、ごっちんは失恋しまくりなのだが、なんだろう、このアルバムの持つ幸福感は。このアルバムを聴いている時間はまさに『シンガポール・トランジット』の歌詞に出てくる「なんともほら言いようのない至福の時間」なのだ。