「さらば青春の光」

夕方、映画「さらば青春の光」のサントラを買いに行く。実家に帰ればアナログ版があるんだけどね・・・。6月末にDVDが再販され、某誌でこの映画を取り上げさせてもらえることになったので、絵の資料収集として購入。
1973年に“ザ・フー”が発表したアルバム「四重人格」をモチーフに、細身のスーツと米軍払い下げコートに身を包み、スクーターにまたがる“モッズ”たちを描いた作品だ。
1979年の公開当時、私は、一人で映画を観にいけないいたいけな少女だったので、誰も付き合ってくれる人が居らず結局、見逃してしまったのだが、その後ビデオで鑑賞。さらに(懐かしの)大毎地下劇場でようやくつかまえて念願の劇場初鑑賞。
実際、米軍払い下げコート(今では「踊る大捜査線」の青島刑事が着ているようなやつ)を買って、コンサートに着ていったこともあったっけ(サンケイホールのASWADのコンサート)。
’90年にイギリスに居たときは、映画の舞台になった海辺のリゾート地ブライトンにはせ参じたのは、いうまでもない。8月に行ったのに、あまりに寒くて震えていたのを思い出す。モッズ風のファッションの名残のようなものは、結局見れなかった。なぜか、往年のプレスリーとか、ダーティー・ハリーのプロマイドなどが売られていて、そこだけ70年代で時間が止まっているかのようだった。
若者よりはお年よりが多く、「さらば〜」の残骸は一つも見出すことが出来なかった。そういえばグレアム・グリーンの小説のタイトルにもなっていた「ブライトン・ロック」も買えなかったなあ。
  “この世の中に自分ひとりだけ”と孤独について表現したのは、ラリー・マクマートリーの「ラスト・ショー」(ピーター・ボクダノビッチの映画のほうはみていない)だったが、「さらば〜」の主人公ジミーも大勢の仲間がいると思っていたのに、突然、自分はひとりぼっちだということに気付いてしまう。その孤独感はあまりにも深い。
今回、DVDは観てないけど、音楽を聴いていると本当に鮮明に映像が次々と浮かんできて、ちょっと驚いてしまった。