「さよならのLOVE SONG」再び。

相変わらずヘビーローテーション中ですが、歌詞をじっくり聴きながらやはり「あなた」は、亡くなったのではないだろうかと思えてなりません。これまで、ミュージカルでは、その対象の人がしっかり助かっていて、そこから大恋愛が始まったであろうと予想できる終わりかただったので、この楽曲の歌詞をきっちり聴いたときも、“彼”は亡くなったのではなく、なにかの理由で永遠に別れ別れになったのだろうと想像していました。しかしですよ、PVを思い返した時、あの、ごっちんしか写ってない写真を貼ったノート、そして、セピア色のどうやら過去らしい、ごっちんが楽しそうに笑っている映像、あれは、彼の遺品なんじゃないですかね、という疑問が起こったのです。もしもあのノートがごっちんのものなら絶対彼とのツーショットとか、彼の写真があるはずなのです。写真も映像も彼が撮ったものでしょう(少なくとも彼の視点でしょ)? 以上のことから次のような考察をしてみました。
1.ごっちんが別れた彼を思い、昔の思い出の写真などをもう一度見ている→先ほどもかいたように彼の写真が一つも無いのは不自然。
2.実はこのPVは、全編別れた彼の視点からみたもので、彼がごっちんを思い出している。→現在のごっちんのカラーパートの映像とのつながりが説明できない。
3.ごっちんのもとから去った彼は、この写真を貼ったノートと映像を置いていってしまった。のをごっちんが今眺めている。→彼はいらなくなったのか?→私のこと嫌いになったの?歌のどこかに恨み節がはいってきてもおかしくない。
4.今、ごっちんの手元に彼の所有物があるということは、③のことを考えると彼がそれらをなんらかの理由で所有できなくなったことが考えられる。→行方不明なのか? それなら歌詞の内容がちょっと違うだろう。
以上のことから無理やり出した結論は、彼は何らかの理由で、突然亡くなってしまった。彼の遺品を整理していた親がこのノートをみつけ、ごっちんに手渡した。だから今、それがごっちんの手元にある。彼を失ったショックからは簡単に立ち直れない、それでも少しづつ泣いてばかりいた日々からは脱し始めている。でもあの頃のような笑顔を未だにとりもどせない私。ずっと二人の未来は続くと思っていたから、お互いの気持ちも声高く言い合ったりしなかった私たち。というシチュエーションを勝手に妄想して、勝手に泣いています。
 勿論、創作だからといって、簡単に人の命を奪ったりしてはいけないということはわかっています。ですが、映画や小説はそういったテーマをあらゆるバリエーションで取り上げてきたことも事実。ざっと思い返しただけでも“バレエの発表会に来てくれと無理をいったがために母を事故でなくしてしまったことにずっと罪の意識を抱いている少女”が友人(恋人)とともに成長していく過程を描いた映画「セイブ・ザ・ラストダンス」や、愛する人を失って立ち直れない女性が新しい出会いをして、しかし、前の恋愛をひきずっているため一端は別れ別れになってしまう「猟奇的な彼女」だとか、5月に映画公開を控える「世界の中心で、愛をさけぶ」など、枚挙にいとまがない。もっとも、最近「世界の〜」の予告編を見たせいで、しかもその内容が、どうやら、高校時代の恋愛と彼女の死を描いた原作を大幅改定して、そんな過去をもった男性と彼の現在の恋人を描く話になるらしいという、その作品への期待感が、ごっちんのこの楽曲とPVにリンクしてこんな妄想が生まれただけなのかもしれない。ここまで書き上げてもう一度「さよならのLOVE SONG」を聴いたら、なんか違うような気もしてきたし・・。