「ちょっと待って、神様」

いよいよ最終週に突入。また楽しみが一つ減っていく…(なにしろ、この冬ドラでまともに見ているのは「エースをねらえ!」くらい)。思えば、このドラマを見始めた第一回目からずーっと毎回、私泣いとります。完全にピン子の視点で、時にせつなくて泣き、時に感動して泣き、全体的には、見た目は女子高生中身はおばさんという設定に思わず笑って観れる部分が多いのだが、毎回必ず一度はほろりとさせられる。15分という短い時間、物語が非常に凝縮されて密度の濃い仕上がりなっているからだろう。宮崎あおい作品でいえば、「ユリイカ」や「害虫」の内省的宮崎と、「パコダテ人」の明るい元気キャラの宮崎の両方を一つの作品で観られるという非常に贅沢な出来になっている。
 さて、最終週の第一回目、夫が、自分の妻(ピン子)のことを自分の心の中で生きているといって、若い女性のプロポーズを断るシーンにはらはらと涙を流すおばさんと秋日子。そこで、秋日子は「おばさんとかわってあげる。」と自分はもとにもどらなくてもいいと主張する。しかし、おばさんは、次のように秋日子に語るのである。「あなたは生きなきゃ駄目。こんなに長く私といて、まだわからないの?どんなに人生が素晴らしいか。どんなにぎゅうぎゅう中身が詰まっているか、それでもまだわからないの? あなたも自分の人生を生きてみなさい。いろんなことをやってみなさい。恋もしなさい、結婚もしなさい、できたら子どもも作りなさい、やれることはなんでもやってみなさい。人生、どんな味がするものか、精一杯味わってきなさい。生きていて損をすることなんて何一つない。このあたしが言うんだからほんとよ」。
 死んだ当初は「こんな人生のまま終わりたくない」と叫んでいたおばさんが、ここにいたって話すこの言葉に私は号泣した。それは、ちょうど、「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」で、ひろしが、「俺の人生はつまらなくなんかないぞー!」と叫んだあのシーンを思いださせた。平凡だけど、真面目に歩んできた人ゆえの説得力なのだった。
 昼に今日の分の予告編をやっていた。夫とおばさん(みかけは宮崎あおい)が抱き合っているシーンに春男(塚本高史)が!