『文学界』1月号

小津本をコレクションしている時期に、どうしても手にいれることができなかったのが、蓮實重彦の「監督小津安二郎」(筑摩書房)で、最近改訂版が出たとかで本屋に行かないといけないなっと思っているんだけど、その本についてもほんの少し触れられているのが、「文学界」1月号の蓮實重彦×阿部和重との対談「アメリカ映画の知性を擁護する」。蓮實重彦が、蓮實節で、「きらいきらいきらい」とやっても、阿部氏が、きっぱりと自説を語るのがかっこいい。ちなみに阿部氏は9月23日生まれ(後藤真希といっしょ)。
 2000年代の若手作家についてもっと語ってほしかったけれど、ウエス・アンダーソンや、ポール・トーマス・アンダーソントッド・ヘインズあたりが語られているくらい「マトリックス」にも触れられているが)。日本でいうと、この人たちに当たるのは、行定勲とか、塩田明彦とか、山下敦弘とか、そんな感じでしょうか。一方、スピルバーグや、マーティン・スコセッシや、ジェームズ・キャメロンや、デ・パルマや、スティーヴン・ソダーバーグに当たる人となると???である。企画面で低迷するハリウッドなどといわれながらもやっぱり、アメリカ映画には人物が揃っているなあ。
 で、この号には、もう一つ対談がのっていて、中原昌也×清水崇(「呪怨」の監督)の「恐怖の原点、恐怖の頂点ーホラー映画をめぐって」が、めちゃくちゃ面白い。