後藤真希と映画(後編)

昨日の続きです。読んでやってもいいぞと言う方は、昨日の分を先にお読みいただけると幸いです。
 後藤真希と自分の映画の趣味が微妙に違うという問題以外に、ごっちんが映画好きになってくれて嬉しい反面気になることがまだ一つあった。
“「踊る大捜査線THE MOVIE2」を見に行った時、後半泣いちゃったの。で、いっしょに見てた友達に『泣けてきちゃった…』って声かけたら『しゃべるな!』って怒られて。『あなたのせいでだいなしよ!』って言われちゃいました。”(「ザテレビジョン」2003no.48より)
“自分でもありえないと思いつつも、映画を観るとつい暴れちゃうんですよね。友達にも『アメリカの映画館に行ったほうがいいんじゃ』って言われるぐらいオーバーリアクション(笑)。特にホラー映画では、より、リアクションが大きくなっちゃう”(「TVガイド」11.22−11.28号)
“めっちゃ楽しいんですよ。映画館で、アイスとか買ってぎゃあぎゃあ叫びながら観るのが”(「GIRL POP」Vol.65より)
そう、ごっちんは映画館で騒々しい人なのである。一方、私は、映画館で紙袋をがさがさされても嫌な方なのである。咳のヒドイ人などに対しては風邪治してからこんかいと心の中で毒つき、いつまでもハンバーガーの袋を音立てている人には、さっさと食べんか〜!と思い、座高が高いのに、ちっとも沈んで座らない人には、後頭部けったろかい!と思うだけで、実際はしないのだが。そんなだから、このままではごっちんと映画をみにいけないじゃないか(!?)
 以前、随分前のことだがデートらしきもので映画を見に行った時、自分は真剣にその映画が見たかったのに、相手はデートの一貫としてしか思っていなくて、話しかけられたりで、全然集中してみられなかったことがあった。で、駅で相手と別れた後、自分は、帰るふりをして実はもう一度映画館に走っていって一人で見直したことがあるのだ。その間に相手から家に電話がかかってくるは、何だらかんだらで一騒動あったりもして、今から思うと我ながらもうバカかと。
 いや、でも待てよ、映画を観て感情をストレートに出すことは、決して悪い事ではないのだ。無意味な音をたてたり、咳をしたりというエチケット部分に反することとは別物なのだ。映画には“お祭映画”というものがあって、大勢で観に行くほうが楽しい作品がある。例えば、「リング」などのホラー物だったり、「踊る大捜査線」などの話題作だったり、「ハリー・ポッター」だったら、親子連れで行くのが楽しいだろうし、コメディーなら劇場が笑いで溢れている方がいいに決まっている。「ウオーター・ボーイズ」での笑いに包まれた映画館、山下敦弘監督の「ばかのハコ船」のラストに対するひきつり笑い、映画版「クレヨンしんちゃん」への子どもたちの大笑い、劇場の笑いがなければ、映画の値打ちも下がってしまう。怖い映画には悲鳴が、哀しい映画にはすすり泣きがあって当然なのだ。
 なんの心配を自分はしていたのであろうか。後藤真希は圧倒的に正しかったのであった。そういうわけで後藤真希さん、一緒に映画に行きませんか?