「青の稲妻」(ねたばれ)

SARS騒動もものともせず、先日、知人が中国は大連に行って来たのだが、ドイツの高級車がビュンビュン走っているのに驚いたらしい。
しかも、高級住宅地〜日本円価格でいうと2000万円前後〜が、しっかり売れているらしい。
今の中国では、能力があれば、天下がとれる、非常に面白い国になっているというのである。そんな話を踏まえた上で、ジャー・ジャンクーの第三作である「青の稲妻」を観たのだが、、描かれていたのは、恐るべき変化を遂げる中国社会の中をただ、どうすることもなく、とまどい続けている若者の姿だった。いや、若者だけじゃなく、町全体が取り残されている。急激な変化の中、自分たちが取り残されていっているという自覚すらないのだろう。
何かが起こっているけれど、何をしていいのかわからない。
シャオジイとビンビンは、自転車とバイクで、それぞれ前へ前へ進むだけ。
ビンビンは、人生の応援ソングのようなもの好んでいるが、悲しいことにその歌は、彼の人生に決してシンクロしないように見える…。
唐突なラストが衝撃的。