紅白:19人の「LOVEマシーン」

今更な感想ですが、お許しを。卒メンによるLOVEマシーンが始ると、やっぱりジーンと来るものがあって。中澤姐さんをはじめ、この数分を力のある限り楽しくパワフルに歌い上げるという気骨が卒業メンバーからは溢れていました。19人のモーニング娘。による「LOVEマシーン」という企画になったことで一番割りをくった感のある現モーニング娘。でしたが、卒メンに負けてたまるかとばかり、勢いのある歌声を披露してくれて、ちょっとゾクゾクとしてしまいました。よっすぃ〜はまるで赤い悪魔(デビル)といった感じで(「ハロモニ」のそれとはまた違った美しくも妖しい悪魔)、絵的にもかなり面白く、そんな赤いデビルと仲間たち(?)はどうだ、これが今のモーニング娘。なんだという勢いをみせつけてくれたように思います。
前にも何度も書いているのですが、モーニング娘。の卒業生というのは卒業してもモーニング娘。であり続けてるわけです。脱モーニング娘。を図る必要などありません。元モーニング娘。であることは彼女たちの誇りだし、モーニング娘。魂は常に彼女たちの中で息づいている。つまりモーニング娘。は増殖し続けているわけです。今回披露された19人のモーニング娘。はこれまで目にみえるものではなかったけれど、常に意識として彼女たちの中にあったはずだし、今、こうして目に見える形で行われたことは、単に話題性のための全員集合ではなくて、まさに今一度“モーニング娘。たるもの”を強烈に認識させるものだったといえるでしょう(それは本人たちにとっても、そしてファンにとっても)。
そして、そんな感動をさらに倍増させてくれるような番組が1月2日に放送されました。「すべて見せます。紅白の舞台裏」。ここでの夏先生のメンバーへの語りかけに関しては、もうたくさんのかたが言及されてることと思いますが、おそらく夏先生自身が目に一杯涙をためていたのではないかと思われます。その光景は泣き虫先生についていく体育会系のクラブの円陣みたいでもありました。「ASAYAN」を彷彿させるようなその画面からは確かにモーニング娘。魂というものが形として目に飛び込んできて、改めて、自分は、そのモーニング娘。魂に猛烈に魅かれてモーニング娘。を好きになったことを再確認したのでした。
この「すべて見せます。紅白の舞台裏」と、12月30日に放送された特番「紅白歌合戦はこう変わる」を見て特に印象に残ったメンバーは久住小春さんです。卒メンの練習を素直な視線でまっすぐに見つめる姿が実に爽やかだった。
そしてちゃんと中澤さんの願いと久住さんの想いが2人の間で打ち合わせというものがなくてもしっかり重なり合っているのがまたなんとも嬉しい感じでありました。さらに、メインでカメラに映っている人の後ろにいるメンバーたちを何度も巻き戻しして見るのも、ごっちんが娘。にいたときはよくやったよな〜と懐かしく感じました。紅白の舞台裏ではごっちんの傍には常に加護ちゃんがいて、なっちや、梨華ちゃんと四人で話したりしてましたね。夏先生の言葉に涙をこぼすまいとする気丈な姿とステージを終えちょっと控えめに後ろの方で少しばかり顔をくしゃくしゃさせているごっちん、ああ、またまたどんどん好きになっていくじゃないですか!
NHKさん、この番組作ってくれてありがとうといいたいです。
ですが、せっかくの好き歌企画で実現した19人のモーニング娘。をもっと紅白のその舞台でアピールしてほしかったとは思っています。歌い終え、余韻もなく和田明子さんの顔がアップになったときは、和田さんにはなんのうらみもないけど、少々むかつきました。NHKは恐らく、紅白の前後で放映した紅白特番において、当日時間がなくて紹介しきれない部分をフォローするつもりだったのだと思います。でも、みのさんが、「すべて見せます。紅白の舞台裏」でNHKのディレクターとやり取りしている中で一人ひとりの歌手が歌い終わったところにもっとクッションをおくべきだと主張していたように、クッションをおいて、“好き歌”で実現した19人について、仲間さんあたりに一言でいいので言及してもらいたかったな〜とそれだけが残念でなりません。