[映画]「モンスター」

アメリカ初の女性連続殺人犯として社会を震撼させたアイリーン・ウオーノスの悲痛な人生を描いた作品。不幸な環境で生まれ育った娼婦でホームレスというアイリーン・ウオーノスを演じるのは、シャーリーズ・セロン。美貌が売りともいえる女優シャーリーズ・セロンが、まるで別人にしか見えないのは(特殊メイクと13kgの体重増加)、噂にきいていた以上で、このアイリーンという女性は決して不美人ではないのだが、育った環境や、様々な試練などが、外観を変えてしまったんだろうなということが、シャーリーズ・セロンが演じることで、浮き彫りにされてると思う。で、パンフなんかでは、シャーリーズ・セロンの体当たり演技ばかりが取り上げられているんだけど(確かに凄い)、アイリーンの恋人で、結果的に彼女に殺人を行わせてしまうセルビーを演じたクリスティーナ・リッチーの細い眉毛とくりくりした目がなんとも印象的だった。年齢不詳ともいえる容姿の彼女をキャスティングしたことが、このセルビーという女性の持つ子どもっぽさや、無垢でかつ邪悪ともいうべき存在を絶妙に表現していると思う。