「さよならのLOVE SONG」

はじめてこのタイトルを聞いた時(それは2月のミュージカルのタイトルとしてでしたが)、あまりにも普通のタイトルなので、拍子抜けした記憶があります(そのあたりのことはこことかここ)。で、そのあと、ミュージカルの詳細とか、3月17日リリース予定の新曲がミュージカルのタイトルと同名曲だとかまあそういったニュースが伝わってきて、同時に、シングルのジャケ写が、初回盤→通常盤→シングルVの順番に明らかになっていきました。そのジャケ写を観たとき、多くのごまヲタのみなさんがそう思っただろうと同じように、うきゃ〜、なんてナチュラルなごっちんがいるのだ!と狂喜いたしました。とりわけ、シングルVの油断しきった表情というのですか?こういう表情ってこれまでPVのメイキング映像の中でぐらいでしか見たことがないような、そんなまさに力入ってない素のごっちんそのものを捉えたものでした。 以前、「PJ」でグラビア撮影は緊張して表情がこわばるというような発言をしていたごっちん。そんなごっちんをここまでリラックスさせるとは、とその現場の幸福感を想像して、一種、嫉妬のようなものを感じた自分でした(嫉妬してもしょうがないんだけどね)。
 そうして、期待が高まる中、「ミュージカル」の大阪公演(千秋楽に行けなかったのが残念でしたが)参戦。ミュージカルのクライマックスにて歌われた「さよならのLOVE SONG」。いっぺんに好きになってしまっていました。さらに、PV。犬と戯れたり、お茶を飲んだり、ソファーに寝転がったりっていうまあ、なんの工夫もないといえなくもない代物ではあるのですが、これまでのPVが今ひとつ伝えきれていなかったごっちんナチュラルな魅力を充分に引き出すことに成功したものと私の眼には映りました。よく、後藤の方向性が見えないとか、次はこの路線でとか、議論がかわされることがありますが、結局、なんの細工もいらない、後藤真希自身をきっちり見せるということにまわりのスタッフが専念することが重要なのだ、そして、今回はそれに成功している〜ま、そんな感想を持ちました(といってもこれまでのPVが嫌いってことじゃないですよ)。
 で、やっとこさ、シングルのことです。歌詞は悲しい歌詞なのに、曲自体はしごく穏やかでヴァイオリンの音色も寂しいというよりは、優しい感じがします。ごっちんは、その曲を丁寧に歌っています。きっと寂しさで大泣きしたあと、一人だけの生活に戻ってちょっとは自分も強くなれたかなと立ち直る気配をみせながら、でも本当は全然立ち直ってなくて、それでもやせがまんして、笑顔をみせている、そんな女の子を想像してしまいました。一見さらりと歌っているからこそじっくり歌詞を聞いた時に、うるうるとくるものがあるように思います。きっとごっちんも、まわりのスタッフもそういうイメージで作り上げた歌じゃないでしょうか?
 ただね、一つ文句を言うとしたら、やっぱり、この曲は、ミュージカルが終わってから出すんじゃなく、公演前に出しておくべきだったと思います。ミュージカルを見た人にとっては、ミュージカルのイメージが物凄く入ってくるのは当然です。そうすると、この曲に込められた「普通」な「ナチュラル」な魅力そのものに様々なプラスアルファがついてくるものと思われます。公演前に出しておけば、純粋にその歌によっての世界を楽しめたような気もします。とはいえ、この曲を聴いたら、ミュージカルの感動が蘇るっていうのもまた事実なんですけど。