後藤真希 in 「ポップジャム」(NHK 2月14日放送)

 「スクランブル」という楽曲が大好きだ。ごっちんポップジャムで「スクランブル」を歌うと聞きわくわくして待った。のだが、残念ながら、今回のごっちんのパフォーマンスは、この曲の持つ夢のような幸福感を一般に伝える出来にはいたっていなかった。ごっちん力入りすぎなんだと思うよ。大勢の歓声は、ともすれば歌声をかき消してしまいがち。だから大きな声を出そう出そうと一生懸命になりすぎて息切れしてしまう。あるいは、グループでやってきた人だから、グループのユニゾンに負けない一人のボーカルっていうのを意識しすぎなのかもしれない。現にあとで、いろんなメンバーと歌った「LOVEマシーン」のごっちんはリラックスもしていたし、いい声がでていたじゃないか。例えば、「DPGO」や、「セクガイ」なら多少力んでもそれほど違和感を感じさせず歌うことは出来ると思う。でも「スクランブル」はそうはいかない楽曲なのだろう。
 そもそも、「スクランブル」は、テレビ的にはあまり恵まれているとはいえない楽曲だ。なぜなら、いわゆるテレビサイズと呼ばれるバージョンが、非常に中途半端な感じのものになってしまっているからだ。「Mステ」で歌われたバージョンなど最も短いもので、それに次ぐのが、「FNS」の最後フェイクがカットされているバージョン。今回のポップジャムも、「FNS」よりは長いけれど最後フェイクがカットされていたし、カットすることになんの意味があるんだろうか。いろんなバージョンがあるのに、どれもこれもなんか短いなとしかいえないようなものばかりなのだ。ごっちんの他の楽曲では、このような違和感をそれほど感じたことがないというのに。そもそもこのテレビサイズって誰が考えるんだろうか。テレビ局側なのか、UFAなのか、いずれにせよもう少しましな作りはできなかったんだろうか?
 最高のパフォーマンスを見せてくれることを期待して、私はいつも後藤真希を見ている。ただ、「後藤なら大丈夫」とみんなに期待されて、完璧にこなしてみせる後藤真希も好きだけれど、なんだか迷ってしまったり、不器用になってしまう面も彼女は持っていて、そういうところも好きなのだ。プロならば失敗は許されないという人も多いだろうし、それは本当にそうなんだろうけれどでもきっと、後藤が完璧な人なら、私はこれほど彼女が好きではなかったと思う。
 もしかしたら、テレビで「スクランブル」が披露されるのは、これが最後の機会だったかもしれない。そういう意味ではちょっと残念な結果に終わってしまったのかもしれない。でも、「成長し続ける」とあくなき努力をしているごっちんをこれからも暖かく見守っていくぞ。私は。