「ファインディング・ニモ」あるいは、「ブラウン・バニー」

本来なら昨日は「ファインデイング・ニモ」を観にいって、ごっちんとの脳内会話は次のように展開するはずだった。
chori:私も映画大好きで、学生時代は映画研究部にはいってたんですよー。
ごっちん:おー!、すご〜い!(chori注:なわけない)最近「ファインディング・ニモ」を観たんですけどー。
chori:あ、私も観ましたよ。今日。
ごっちん:まじですか〜!?
chori:今日の「HEYHEYHEY」のニモのお父さんの物真似最高でした!
ごっちん:キャー
            (……)
しかし、あろうことか、「ファインディング・ニモ」をパスして、ヴィンセント・ギャロの「ブラウン・バニー」を観にいってしまったのだ。
ごっちん:それはどんな映画なの?
chori:ヴィンセント・ギャロっていうナルシストはいった俳優さんが、あのミュージシャンでもあるんですけど、監督主演していて、ギャロの役は、バイクレーサーで、ニューハンプシャーから次のレースが行われるカリフォルニアまで車で旅していくロードムービーで…
ハッ!駄目だ、ごっちんとはこの映画については会話できない。あんな展開になるなんて全然しらなかったし。前半部分は、高速道路や、街灯もろくにない夜の道路をひた走ったり、ギャロがホテルで顔洗ったりするようなシーンが延々とつづくだけなのだが、なぜかやたらめったら面白くて持ち味は違うかもしれないけど、ヴェンダースの初期作品を見ているときのワクワク感にも似たようなものがあって、なにも起こらないのにめっさ面白い類の映画なのである。賛否両論ある最後の方の展開は、まあ、あのラブシーンがどうのこうのじゃなくて、ロードムービーの合間にちょこちょこと断片的に入れて、最後まで内省的なロード−ムービーだったらよかったのに〜と、ちょっとその急展開にのめり込めなかった部分もあり〜。
 にしても、ギャロは自分自身をかっこよく撮るってことは勿論だけれど、女性を本当にきれいに撮るよね。「バッファロー’66」では、クリスティーナ・リッチーを復活させたが、今回のクロエ・セヴィーニもとてもきれいだ。あと、前回は66で、今回は77、ぞろめが好きなの?
ただ、思ったのは、ギャロの新作だから一応おさえとけ、っていう映画の選び方をしてしまうすれた映画ファンである自分と、「ニモ」が面白いよ〜とみんなに嬉々として、言って回るちょっと映画にはまっている女の子。本当の映画の楽しみかたって、きっと後者の方なんだよ!