「インファナル・アフェア」(ねたばれあり。注意!)

これまで、私は何度か香港映画にはまったことがある。ブルース・リーは別格として、チョウ・ユンファの「男たちの挽歌」が封切られた80年代後半、ついで、「恋する惑星」のウオン・カーウアイが出てきた90年代半ばから後半にかけて。特にあとの方は、国内で出ている香港映画のビデオをほとんど見尽くして、神戸の某ショップまで香港のVCDをVHSに録画したテープ(違法?)を買いに行ってたほど懲りまくってました。単にブームにのっかてただけ、といわれれば、まさにそうなんですけどね。
 なんで、こんなことを書いたかというと、「インファナル・アフェアー」を見て、第三次香港映画ブームが自分の中できそうだから。
アンディ・ラウが、こういういわば悪役をやるというのがちょっと衝撃的だった。アウトロー役でも熱血漢の根は好青年というイメージが凄く強い役者さんなのだ。さらに、演出も、かって、「男たちの挽歌」であったような、やりすぎなくらいの過剰な感情の露出みたいなのが、ぐっと抑えられている。本来のイメージなら、警察役のアンソニー・ウオンと、暗黒街のボスのエリック・ツアンは、逆のキャスティングが考えられると思うのだ。そうすると、自分がはまっていたころの、泣き叫んで感情をほとばしらせる映画に仕上がったかもしれない。香港映画もクールで、洗練されたものになってきたのだなあ。いやあ〜ほんとかっこいい。アンディと、トニー・レオンのキャスティングも、昔のイメージなら逆だったのかもしれない。が、まあある意味表裏一体の人物を描く作品だから、あえて、このキャスティングにしたのかもしれないね。