「松浦亜弥コンサート評・評者/阿部和重(朝日新聞、4月29日)」について。

chori2004-04-30

非常に出遅れ感がありますが、うちも朝日新聞を購読しているので、昨日の文化欄の阿部和重氏による松浦亜弥コンサート評を読んだ。「ハロー!プロジェクトにおける私の一推しは、ごっちんこと後藤真希であるが」とわざわざ断っているところが、阿部氏の義理堅いというか、一本筋の入ったところであるなあなんて思う。「文学界」2004年1月号で、蓮實重彦と映画について対談していた氏は、ある意味映画批評界の神様、蓮實氏にもきっちり反論もし、自説を丁寧に展開されていて、なんて気骨のあるかっこいい人なんだと思ったものだ(その後「文藝2004年夏号」の阿部特集を読んで、イメージが若干崩れたが・・)。
 で、記事の方だけど、音楽評というよりは映画評に近い、非常に面白い物だった。ごっちんのパフォーマンスを「ライブ」、あややのそれを「ショー」と捉え、更に、“映像表現に置き換えると「ライブ」は「ドキュメンタリー」となり、「ショー」はアニメとなる”と展開して、あややの“アニメ的特徴”について、考察していく。今、あややが築き上げている非常に面白い位置があやヲタでない自分にもとても納得できる説明がされていて興味深かった。ごっちんや、モーニング娘。がいなかったら自分もあややに走っていたかもしれない。
 にしても、阿部氏にはやっぱりごっちんについて語ってほしいとつくづく思う。ごっちんの“ドキュメンタリー的特徴”を是非論じてほしいものだ。